日程 | 2016 年02 月17 日(水) 20:00~22:00 |
場所 | 株式会社岩瀬歯科商会 水戸支店 3階セミナー室 茨城県水戸市白梅2丁目8-18 Tel. 029-225-6543 |
内容 | 「ナノジルコニアを使用した臨床ケースと今後のCAD/CAM」 歯科技工士 中島清史 先生 近年、歯科界のCAD/CAMの進歩は目覚ましいものがある。ラボでのスキャナ(CAD)普及率も増え、保険にもCAD/CAM冠が入り今後ますますデジタル化は進むであろう。またここ数年卓上型の加工機(CAM)も各メーカーから市販され、小規模のラボでも導入しやすくなりマテリアルの種類によっては内製が可能になり多くのマテリアルの加工ができる様になった。通常CAD/CAMを用いてできるインプラントの使用マテリアルはジルコニアやチタン、またデンチャーのコバルト床もある程度製作が可能になった。今回はまだ余り知られていないが両方のマテリアルに使用できチタンより生体親和性が良いとされ, イットリア系ジルコニアより1.8倍の破壊強度と3倍の靱性値持つナノジルコニア(パナソニックデンタル社)に焦点をあてどの様にナノジルコニアアバットメント、IOD(ナノジルコニア床)を臨床で取り入れ行っているか、また今後の口腔内スキャナとラボとの連動をお話したい。 「咀嚼機能障害による低栄養が全身に及ぼす影響 -チュウイングシンドロームの一例-」 咀嚼とは、唾液とともに食物を噛み砕き飲み込みやすい大きさの食塊を形成することであり、食物の消化吸収を高めることである。那須らは、咀嚼機能が健康寿命の延伸に大きく関与することを、総義歯装着者を対象に大規模な調査を行い報告している。そして咀嚼障害による全身への影響を「チューウィングシンドローム」と名付けた。咀嚼機能障害を起こす主な原因として不適合義歯、歯周病、虫歯、口渇があげられる。とくに口渇に関しては、薬剤の関与が大きく、唾液分泌抑制する薬剤には、降圧薬、免疫抑制剤、向精神薬、抗コリン作用を要する薬剤のすべてに見られる。とくに高齢者では、若年者に比べ強く症状が現れやすいにもかかわらず、医師や薬剤師も口渇に関してあまり関心を示さないのが現状と言える。咀嚼機能障害による偏食や摂食障害は、低栄養状態をきたし、特に高齢者の低栄養は、舌、口腔粘膜の炎症として現れることが多く、咀嚼機能障害の負のスパイラルに陥る。たんぱく質の摂取不足の低栄養は、フレイルを招き、活力の低下や筋力が衰えるサルコぺニア、更にはロコモティブシンドロームへと進み、ADLの低下は要介護状態へと繋がる。このように、咀嚼機能低下が原因となるフルイルも今後考慮に入れた歯科医療を考えていく必要性を痛感した一症例を経験したので報告する。 |
参加費 | 会員:無料 |
参加者 | 11名 |