H28第6回例会

日程 2016年12月7日(水)20:00~22:00
場所 株式会社ケーオーデンタル 水戸営業所 セミナールーム
内容 ①全部帯環形式及び部分帯環形式のファイバーコアについて、②穿孔症例の処置方法について
歯科医師 今井 文彰 先生(水戸市開業)

①C4(残根)の歯牙はどのようにして治療すべきであろうか?私の臨床では骨縁下のC4は歯根が長ければEXTRUSION(矯正的挺出)で残すこともあるが、ほとんどの歯牙は抜歯となる。しかし歯肉縁下までの齲蝕であれば「全部帯環形式及び部分帯環形式のファイバーコア」を装着して歯牙を保存することにしている。歯肉縁下の部分は「白金加金」で根面を覆い、ポストの中身はファイバーコアにしている。どんなコアを装着しているか症例を提示したい。
②根管治療の症例は「髄床底の穿孔」や、「歯根の穿孔」などの症例がある。どの症例も根管充填と同じように慎重に処置しなければ、歯牙の保存はおぼつかないであろう。今回は。これらの症例をいくつか提示し、どのように処置をすべきか皆様と考えていきたい。

この歯は抜歯?それとも・・・?〜他院で抜歯または治療が困難と判断された歯に遭遇〜
歯科医師 長尾 大輔 先生(ひたちなか市開業)

私は歯科医師になって以来、常々歯の保存を第一に考えながら診療に携わっている。15年前、勤務先の院長が、当時知名度ほぼ0の歯科用マイクロスコープを導入し、私の顕微鏡歯科は始まった。茨城に戻った際、当院も歯科用マイクロスコープを導入し、これまで様々な症例に用いてきた。治療の動画は録画保存してきたものだけでもDVDで優に1500枚を超えている。今や私のみならず、患者の治療や予防に直接関わる全てのスタッフが、歯科用マイクロスコープを使わない日はなく、医院経営・診療システム・細かな器材に至るまで顕微鏡歯科を中心に組み立てている。このような毎日の積み重ねによって、以前なら抜いていたと思われる歯もより多く助けられるようになり、当院における抜歯の判断は明らかに変化している。しかし、顕微鏡歯科はまだまだ新しい分野ゆえ、確固たるエビデンスが確立されていないのも事実である。
抜歯について、歯科医院・歯科医師毎に判断基準は様々だろう。いずれも大きな間違いはないはずだが、アプローチ次第では、抜歯せずに済むのではないかと思うケースに遭遇することもある。今回は他院で抜歯と診断された歯に対し、患者の様々なご協力のもと、当院にて顕微鏡歯科を提供し、幸い保存・機能させることができた症例を供覧する。私が本研究会に参加させていただくようになった9年前に比べ、ペリインプランタイティス等、様々な問題が露呈しだしている昨今のインプラント治療。茨城インプラント研究会の先生方と共に、当院のつたない顕微鏡歯科を介し、歯の保存・抜歯について、あらためて考えてみたいと思う。

参加費 会員:無料
参加者 19名