演題
「難治性歯科疾患であるエンドーペリオ病変とセメント質剝離が混在した症例」
及川布美子(リノデンタルオフィス)
抄録
セメント質剝離は、根尖方向への最近の侵入を容易にし、急性歯周疾患を引き起こす。しかし、根尖部における剥離よりも、歯頚部寄りの剥離ほど治療成績は良い。それは根尖部に向かうほど、手術の難易度が高くなるからである。歯頚部寄りであれば、非外科的治療により治癒する場合もある。
今回、歯根中央部に側枝があり、歯頚側から同部位にかけてセメント質が剥離していた局所的に深い歯周ポケットを有する上顎前歯に対し、根管治療と外科処置を行った。術後の経過観察中であるが、この報告を通して、治療方法のエビデンスが少ないセメント質剥離に対して皆様と情報共有とディスカッションをしていきたく存じます。